回淡江大學首頁
フリースクールの組織構造と課題 ―台湾と日本の比較―

類別:會議論文

學年 / 學期:110-2

出版日期:2022-05-07 00:00:00

著者:王美玲

會議名稱:西日本社會學會年度大會

會議地點:線上

摘要:いじめや学校不信がきっかけで不登校になった、児童・生徒の多様な教育ニーズに応じるために、オールターナティブな学校が設立されてきている。 日本では、フリースクールが任意団体やNPO法人による運営形態で設立されてきたが、2003年から構造改革特区制度を運用した不登校特区学校の設立が可能となった。不登校特区学校では、設備と校地・校舎を自己所有しなければならないという学校法人申請条件が緩和され、学習指導要領とは異なるカリキュラムが可能で、フリースクールへの登校は学校への出席扱いされる。さらに2005年には、不登校特区は全国化されて、日本全国どこでも申請なしで学校が設立可能となった。このような日本における動向は、フリースクールの学校化といえる。 他方、台湾では、フリースクールは「另類學校」と称され、日本のような任意団体またはNPO法人はなく、最初は財団法人基金会という法人組織を作って設置される。行政から廃校を借り、実験的に教育を行なう計画を行政に提出することによって、合法的な教育団体となる。出席扱いも可能で、民間の教育団体が実質的な学校運営者となっていた。この教育実践は、当初、地方自治法に基づいて実施されていたが、のちに「実験教育」と名付けられ、2014年に実験教育三法の成立後、財団法人でなくても、個人や団体・機構で学校設立が可能となった。このような台湾の動向は、フリースクールの制度化といえる。  日本でも台湾でも、フリースクールは合法的な団体になる傾向がみられるが、学校法人あるいは財団法人になるためのハードルが高く、行政と賛助会員の支援が必要である。 本報告では、東京シューレ葛飾中学校(日本)と森林小学校(台湾)の事例調査をもとに、双方の運営組織にどのような差異があるのか、フリースクールの運営や意志決定においてその組織形態がどのように影響しているのかを比較検討した。 まず、東京シューレ葛飾中学校の運営母体はNPO法人東京シューレで、運営組織は、総会、理事会、事務局から構成されている。フリースクールはNPO法人の組織以外に、学校法人東京シューレ学園を設立している。NPO法人も学校法人も理事長は創設者自身で、学校法人の校長も創設者である。 他方、森林小学校の運営母体は財団法人人本教育文教基金会で、運営組織は、理事会、理事長、理事から成り、理事会のもとに森林小学校が付属している。運営母体はフリースクール時代と同じく基金会であるが、創設者は理事長として在任している。 フリースクールの組織内の意思決定は、日本でも台湾でも運営母体中心であったが、学校の運営に関しては日本では創設者が同じく中心となっているのに対して、台湾では教職員が中心となっている。創設者がどのように意思決定に影響を与えているのかなど、インタビュー調査を実施することで明らかにしていきたい。 さらに、これまではフリースクール内部の要因に焦点を当てて比較検討してきたが、今後はフリースクールをとりまく地域社会や、フリースクールを支えている社会的背景などの、外部社会との関係に、比較分析の視野を広げていきたい。

語言:jp

會議性質:國際

校內研討會地點:

研討會時間:20220507~20220508

國別:TWN