出版日期:2016-07-02 00:00:00
著者:富田哲
著錄名稱、卷期、頁數:天理台湾学報 25, pp.205-214
摘要:本稿は、2015年に刊行された山本和行『自由・平等・植民地性―台湾における植民地教育制度の形成―』(台北:国立台湾大学出版中心、800元、ISBN:978-986-350-072-8)の書評である。著者は、自由・平等・植民地性という概念をキーワードとして、日本統治初期台湾における教育制度の形成を、1890年代の教育制度をめぐる議論の動向と対照させながらあきらかにしようとしている。というのも、1890年代の議論において大きな位置を占めていた国家教育社という全国的な教育団体の社員が、日本統治草創期の台湾の教育行政および教育現場で重要な役割をになっていたからである。
使命感をいだいて「新領土」台湾へわたった国家教育社社員の存在を考えれば、「内地」での議論を背景として台湾で教育費の国庫負担や義務教育の実施が検討される可能性もあったように思われる。しかし結局は、「内地」と「外地」の峻別を前提として教育制度の構築が進み、植民地性が付与されていくことになった。
關鍵字:国家教育社;教育制度;自由;平等;植民地性;義務教育
語言:jp
ISSN:1344-3291
期刊性質:國外
審稿制度:否
國別:JPN
出版型式:紙本